よくある質問

よくある質問

このページは介護ロボットの「よくある質問」をご紹介します。

関口は、2010年から介護ロボットの普及推進に取り組んでいます。以来、さまざまな方からのお問い合わせに数多く対応してきました。

一般企業、国、自治体、研究機関、メディアはもちろんのこと、外国の方や学生さんからも。そこで、よく聞かれる質問を下記の通り紹介します。

介護ロボット市場開拓のマーケティング(第3段)

介護ロボット市場開拓のマーケティング

顧客との間に大きなギャップが生じがちな特異な介護ロボットの市場開拓および顧客育成について解説する販売・マーケティング戦略の教材です。

これはとても良い質問ですね。

そもそも介護ロボットの定義がハッキリと明確になっていないため、「これが介護ロボットです!」「あれは介護ロボットではありません!」との線引きが難しいケースが多いのです。

例えば、ある施設にロボットが導入されていても、導入施設が自ら所有している機器を「車いす」と認識していても「介護ロボット」とは思っていないかもしれません。

このような場合、誰かがアンケート調査などを実施しても、そもそも導入施設が「介護ロボットを導入している!」と認識していないので、施設側から正確な情報が得られないかもしれません。このように実態の把握が難しいのです。

 

また、あるロボットが「導入されている!」ことがわかっていても、もしかしたらそれは自治体の実証事業でわずか2-3カ月間の期間限定の導入かもしれません。

今は導入されていても、数カ月後にはなくなっているのです。こういうケースをどう扱うかの問題もあり、「どの程度普及しているのか?」を判断することが難しいのです

ハッキリしているのは、私が国や自治体に先駆けてロボットの普及推進を始めた2010年当時に比べると介護ロボットの認知度は格段に高まっていることです。補助金の力で多くの施設がロボットを導入しました。しかし、普及はまだまだと言えるでしょう。本格的な普及はこれからです。

さらに、蛇足かもしれませんが、現段階(2016年)では、「導入されている!」といっても、介護施設が自らポケットマネーを出したのではなく、国や自治体などの補助を受けての導入、あるいは、期間限定で実証事業やPR的な事業に協力しているケースが多いのが実態です。

 

介護ロボット導入・活用のメリットは大きく2つあります。

1つは、介護ロボットの導入・活用から直接的に得られるメリットです。例えば、「腰が楽になった!」「夜間の見守り回数が減った!」「利用者さんが元気になった」などの効果はまさにロボットから直接的に得られるメリットです。これはロボットの機種により実にさまざまであり、目に見えやすく、すぐに思いつくメリットですね。

もう1つは、直接的なメリットではなく副次的なメリットです。二次的、三次的的なメリットとも言えます。「経営戦略の視点から導入・活用」すれば得られるメリットです。

例えば、デイサービス(通所介護)が「ウチではパロちゃんを導入しています!」と可愛らしいパロの写真やセラピーの様子をチラシやHPなどに掲載すれば、(ちょっと悪い表現ですが)客寄せパンダの如く広告宣伝にロボットを使うことができます。

介護保険サービスの仕組みはちょっと複雑で、一般の人にはあまり理解されていません。だから、利用者からみると、デイサービスの良し・悪しなど違いがわからないのです。そんな実態を踏まえ、癒し系の介護ロボット(パロ)を使っていることを上手くアピールすれば、他の事業者との差別化するためのツールとして活用できます。

 

また、ロボットの導入・活用に伴いプロジェクトチームや委員会を編成して施設全体でロボットの導入・活用を進めていけば、職員には課題解決に向けたノウハウが身につきます。

しかも施設職員に連帯感が芽生えます。当然のことながら、介護スタッフに対する絶好の人材育成の機会となり、大きなメリットをもたらすでしょう。

さらに、ロボットの導入を機にこれまで漠然とやってきた業務プロセスを見直し、導入前と導入後の業務プロセスを比較してみれば、これ自体が勉強の機会になり、しかも業務プロセスの改善に繋がります。

しかし、介護ロボットを単に「介護業務のお助けツール」としてみている限り、この2つ目のメリットには全く気付かないかもしれません。私は2010年から介護ロボットの普及推進の仕事に携わっていますが、はじめの2年間くらいは2つ目のメリットに全く気付かなかったのです。

 

一方、デメリットは、まず「価格が高いこと」が挙げられます。介護ロボットは、(一部の例外を除き)福祉用具のように介護保険の対象になっていないこともあり、福祉用具と比べるとかなり割高に感じられます。

補助金に頼らない限り、介護ロボットの購入にはお金が掛かります。また、保管のスペースが必要なら、そこにも別途お金が発生します。介護ロボットを導入すれば、使い方を覚えるための手間や時間が掛かり、当然それらもコストとして跳ね返ります。使い慣れるまでに時間が掛かるロボットの場合、利用者さんに対して使えるようになるまでに費やす練習時間のロスも馬鹿にならないはずです。

さらに、施設がロボットを受け入れる準備ができていない状態にもかかわらず受け入れてしまうと、介護現場のスタッフにとっては「余計な仕事が増えた」、「なんでこんなモノをウチに導入するのだろうか?」などという態度にもなりがちです。

そうなると、(上層部が)せっかく介護ロボットを導入しても、現場のスタッフにとっては負担感ばかりが高まる結果になります。

これらがデメリットになります。

ただし、メリットとデメリットについてはハッキリと線引きできるわけではありません。介護ロボットの受け入れ側が、介護ロボットをどう活かすかよって、メリットになることがデメリットになります。また、一見するとデメリットに思われることであっても、アプローチ次第ではメリットに変えることができるのです。

とても可愛く、いつも癒してくれるパロちゃん

介護ロボのメリットは活用の工夫次第です!

大きく2つあります。1つは介護分野の課題解決、もう1つは新産業(ロボット産業)の育成です。

介護分野の課題については、まず高齢化の進展により人手不足が懸念されています。1970年には7%程度であった高齢化率(65歳以上の高齢者人口が総人口に占める 割合)は、1994年に14%、2015年には26%を超えました。それが2020年に29%、2060年には40%に達すると試算されています。

将来の市場規模のような試算(期待?)とは異なり、人口の動態統計については、戦争などが起こらない限り、大きな誤差なくこの通りになるはずです。

介護現場では、今でさえ慢性的に人手不足に悩まされていますが、今後はさらなる人手不足が予想されます。そんな中、人材不足の解消をはじめ、業務に携わる人の負担軽減、それに高齢者の自立支援などに介護ロボットの活躍が期待されています。つまり、介護分野の課題解決の救世主として介護ロボットが注目されているのです。

 

次に、新産業(ロボット産業)の育成についてです。日本では1990年代初頭にバブル経済が崩壊しました。以降、「失われた二十年」と言われ低成長の時代が続きました。その間、山一証券や日債銀など、業界を代表する大手企業や銀行が姿を消しました。

そんな低迷していた国内経済を立て直すために新しい産業を興す必要があったのです。医療・介護は、エネルギーや農業などと並び国内では数少ない注目の成長分野です。

戦後、焼け野原の状態から「経済大国」と言われるまでに経済成長したのは、日本の世界に冠たる製造業の技術があってのことです。そこで、製造業で培ったロボット技術を駆使して介護現場のニーズに合った製品を開発すれば、介護分野の人手不足の解消になると同時に、大きな市場が創造されるという期待が寄せられています。

だから、介護ロボットの普及は新産業の育成という点においても期待が大きいのです。

介護ロボットは、まだ「普及している」と言える状態ではありません。でも、私が国や他の自治体に先駆けて神奈川県でロボット事業を始めた2010年当時に比べると介護ロボットの認知度は大きく高まり、確実に普及が進んでいます。とはいうものの、下記のような課題があるために、普及にはまだ時間が掛かっているのです。

 

製品面

「介護ロボットが普及しない」理由として、まずは「製品面」の課題が挙げられます。介護ロボットの多くは、機能面や使い勝手などの面でまだ改善の余地があります。

それは、開発側が介護現場に入り込んでニーズを十分に汲み上げたというよりも、技術先行で開発された製品が多いからです。”技術(シーズ)先行で開発したロボット”や”別の用途で開発したロボット”を介護の現場でも使おうというケースが多いようです。

製品面の課題については、ロボットメーカー側が開発の初期段階から介護現場を巻き込み、現場をよく観察し、ロボットの活用シーンはもちろんのこと、その前後の作業工程(含:準備や片付け)、保管場所、不測の事態の対応方法など、さまざまな側面をユーザー(顧客)視点で検討しながら開発すれば必ず解決するはずです。

 

経済面

次に「経済面」の課題があります。介護ロボットの多くは、介護施設の感覚では桁違いに高い価格が設定されています。価格感に関して「売り手」であるメーカーと「買い手」となる施設の間に大きなギャップが生じています。

その大きなギャップを埋める解決案として、購入時における補助や介護報酬に(介護ロボットを使うことによる)加算を望む声が多く、政府で検討されています。

また、一部の自治体では試験的に補助・助成事業を実施していますが、制度的にはまだ「補助金無し」、「介護報酬への加算なし」の状態です。施設にとって介護ロボットはまだ「高価格」な買い物なのです。

経済面の課題については、ロボットメーカーが公費を当てにするだけではなく、余計な機能を省く、部品の共有化などさまざまな工夫をして開発・生産コストを下げる努力が必要です。

そして出荷台数が増えてくれば必然的に販売価格が下がるはずです。今後は、メーカー同士の熾烈な競争の結果、機能面の向上と同時に低価格化(コモディティ化)が進むはずです。

 

情報面

三つ目に「情報面」の課題があり、これについても「売り手」と「買い手」の間には大きなギャップがあります。これらには、介護ロボットに関し、「機能や活用方法がイマイチ不明」、「購入するメリット(費用対効果)が不明」、それに「安全や保証が不明」などの指摘があります。

また、多くの施設では「ヨソの施設の活用状況はどうなのか?」と気にしているにも関わらず、介護ロボット導入に関する「事例が少ない」「あっても上手に紹介できていない」状態です。

何事に関しても情報が限られているため、施設にとっては判断が難しいのです。さらに、「見守り系のロボット」などは類似製品が多く、使い比べてみない限り、それぞれの違いがなかなかわかりません。これもまさに情報面の課題です。

このような情報面の課題については、メーカー側がマーケティングを強化することです。例えば、ユーザー(顧客)に理解してもらえる販促ツールを充実させ、積極的にわかりやすく情報発信していくことにより解決するはずです。

ポイントは、”わかりやすく”「見える化」させることです。これが下手だと相手に上手く伝わらず、ギャップが埋まらないままとなるでしょう。

 

人材面

介護ロボットの活用には、どうしても「人の介在」が求められます。それも、「ロボットの運用技術を習得した人」の介在です。しかし、現状は「習得した人材の不足」の状態であり、教育・研修制度が充実しているとは言えません。

また、介護施設の多くは、介護ロボットを「業務のお助けツール」として扱うだけではあり、介護経営の全体を見据えたロボットの活用が上手くできていません。そのために、介護ロボットの機能面にちょっと不満があると「そんなロボットなら要らない」という態度になってしまいがちです。

さらに、「介護は人がやるべき」、「ロボットでは心が感じられない」などと介護ロボットに対する「否定的なマインド・価値観」を持っている人もまだ少なくはないのです。

人材面の課題の解決については、まずメーカー側がユーザー(顧客)側に対する導入・活用の支援を強化すべきです。そのためには、納品日に営業マンが納品を兼ねて使い方の説明会を開催するだけでは不十分です。

しかし、わざわざ何度もユーザー先に出向いていたのではコスト高になるばかりです。そこで、ユーザーに理解してもらえる「わかりやすいツール」の作成に力を入れなければなりません。例えば、(ロボットの操作に関する)習熟度がレベル別にセルフチェックできるようにしてあげる方法があります。

また、支援の強化を通じてロボット導入・活用のメリットをユーザー(顧客)に理解してもらう必要があります。そのためにはロボットから直接的に得られる局所的なメリットの訴求だけでは十分ではないでしょう。

(ロボットの活用で)副次的に得られるメリットをも理解してもらうことによりユーザーへの訴求力が大きくアップするはずです。

一方、メーカーだけではなく、ロボットを導入・活用する施設の方も、ロボットを「業務のお助けツール」として扱うだけではなく、経営戦略の視点から「どうすれば経営に活かすことができるのか?」「導入を機に施設の運営体制を強化しよう!」などと前向きに活用方法を工夫すべきです。つまり、組織の中で上手く導入・活用するためにはどうしてもマネジメントの強化が不可欠なのです。

 

介護ロボットの普及については、次に説明する「業務面」を含め、いくつもの課題があります。「製品面」や「経済面」などはロボットメーカー同士の熾烈な競争の結果、時間の経過と共に解決していくはずです。

しかし、「人材面(組織面)」については、時間の経過と共に解決する課題ではありません。メーカーだけではなく、ユーザー(顧客)となる介護施設や病院の努力も欠かせないのです。ロボット活用時代の到来を見越して、今から人材面の課題解決に取り組むことが重要かと思われます。

 

業務面

介護施設内の業務は、生産性や効率を追求して自動化や分業化を進める生産現場やコールセンター業務とは一線を画します。介護スタッフの多くは、「施設利用者と会話の機会を多く持つことが(利用者の)QOL(Quality of Life)向上になる」と考えています。

ディズニーランドの如く「ホスピタリティー(もてなし)」を基本とするのが介護の現場であり、「生産性向上や業務効率が必ずしも歓迎されない職場」です。生産現場や物流倉庫など産業用ロボットが活躍する場とは明らかに活用される環境が異なるのです。

また、1人1人の職員は、担当するフロアやユニット単位で守備範囲が決められて、食事、排泄、入浴をはじめ施設内においてさまざまな業務を行います。まさに「職員が多能工」の状態なのです。

介護現場は、労働集約的に作業工程に従い決められた業務を反復的に行う工場のライン、庫内作業、コールセンターなどと異なります。1人で何役も担当しなければなりません。

同じ作業を反復的、継続的に行うのではなく、次から次と「利用者の体調にあわせた“個別の対応”」が求められます。しかし、現状の介護ロボットの機能ではあまりにもメリットが局所的なのです。

これは「製品面」と大きく関連している課題です。ロボットが使われる工場や物流倉庫とは大きく異なる介護現場の特性をよく調査・理解した上で、生産性や効率を追求する産業用ロボットとは全く違う視点でメーカーが開発する必要があるでしょう。

 

まとめると、介護ロボットが普及には、「売り手」となるロボットメーカーの努力はもちろんのこと、「買い手」である受入施設もロボットを前向きに戦略的にロボットを上手に活かそうとする努力が必要です。

双方が歩み寄らない限り課題解決には至らないのです。

介護ロボットの普及は国策として進められています。そのため、国や自治体がさまざまな支援策を用意しています。最近では施設の経済的な負担を軽減させてあげるための補助・助成の制度が充実してきました。

このような国や自治体からの補助・助成金を使い、さらには政治の力を利用して、ちょっと無理にでも施設にロボットを導入してもらえば、表面的な(統計上の)導入数は確実にアップするはずです

しかし、これまでの事例を見る限り、後に使われなくなってしまうケースも少なくないのです。補助金を駆使することで、一時的には導入実績が上がりますが、根本的な課題を(補助金が出ている間に)解決させないと、結局のところ「打ち上げ花火」で終わってしまいかねないのです。

課題は大きく2つあります。

 

1つはメーカーに起因する問題

1つは「介護ロボットの完成度がまだイマイチ」であることです。これは開発メーカー側に起因する問題です。

完成度が高ければ、ロボットが既存の介護業務にすんなりと溶け込んでいくことでしょう。介護職員に最初は多少の戸惑いがあっても、スムーズに事が運ぶでしょう。しかし、完成度がイマイチだと、ロボットを導入することにより、施設ではこれまで行っていた普段の業務に加えて新たな仕事(負担)が発生することになります。使い慣れるまでには一定期間の訓練が必要になると、それはそれで面倒なのです。

 

例えば、在宅介護であれば「ノンビリとテレビでも観ながら、リモコン使ってお母さんを移乗介助しよう!」などという感覚でもOKかもしれません。しかし、施設では決められた時間内に一定量の業務をこなさなければなりません。

決められた時間に多数の利用者さんの面倒を見なければなりません。そのため、ロボットの完成度がイマイチだと、「あまりにも時間が掛かる!」「操作が面倒だ!」「置く場所がなく邪魔だ!」などと些細な点からダメ出しされてしまい、次第にロボットが使われなくなりがちです。

しかし、この問題は、時間の経過と共に必ず解決するはずです。なぜなら、国際市場でメーカー同士が熾烈な競争をしており、工業製品は必ず進化するからです。

 

受入れ側の施設に起因する課題

もう1つは、介護ロボットの受入れ側である施設に起因する課題です。ロボットの機能面に納得し、しかも使い方を十分に習得した(?)にも関わらず、上手く活用できないのはマネジメントの課題があるからです。

具体的には、介護ロボットの受入れ側の「準備不足」と「活用方法のノウハウ不足」です。導入を判断するのは施設の上層部ですが、使うのは現場です。しかし、組織内における目標の共有をはじめ十分な準備をすることもなく、現場に無理に使わせるトップダウン式の導入ケースが少なくないのです。

しかも、どの施設でもロボットを単なるツールとして使おうとします。そうすると、些細な欠点ばかりが目につきがちです。「面倒だ!」「邪魔だ!」「時間が掛かる!」などです。

 

このような問題を解決するためには、施設が「ツール(ロボット)に依存する!」という発想から脱して、「人材育成の機会」などと捉えて前向きにロボットの導入・活用方法を工夫することです。

例えば、施設内に「介護ロボット活用プロジェクト(仮称)」をつくり、職員同士でロボット活用方法に関する知恵を出し合ったり、目標設定したり、達成度を確認したりするのです。

日本では製造業が「QCサークル」という活動を通じて現場からボトムアップ式に業務(品質)をカイゼンさせました。日本ならではの手法です。介護業界でも「委員会」活動を通じて似たようなことを行っている施設があります。

 

介護ロボットの導入・活用を機に、こういう取り組みを上手に行えば、OJT(On the Job Training)を通じて人材育成やマネジメント(法人・施設の運営管理)強化になります。メンバー(職員)には参画意識が芽生えて主体的に動くようになるでしょう。逆に「なぜ、ウチがこんなロボットの実験台になっているんだ!」などと主張する人は減るはずです。

 

施設がロボット導入を「職員を育成するための絶好の機会」などと捉え、経営戦略の視点から前向きな取り組みをすることで「単にツールとして使う」以上の大きな成果が期待できるのです。

介護ロボット導入・活用の3大ポイント

ちなみに、介護ロボット導入活用の最大のポイントは、(経営陣が)現場を巻き込み、体制を整え、仕組みをつくることです。

詳しくは、こちらを参考にしてみて下さい

国では2020年までに介護ロボットの市場規模を500億円にするという目標を掲げています。遅かれ早かれその目標値をクリアするのは時間の問題です。

また、2030年には2,600億円との市場規模を目標にしていますが、在宅にもかなり普及させない限り、今のままではかなりハードルが高い数字ですね。

とにかく、国や自治体の後押しもあり、今後、市場が大きく成長していくことは確実です。しかし、どのくらいのペースでどのくらいの規模まで伸びていくかについては誰にもわかりません。

市場の成長には、国や先駆的な取り組みをする自治体の政策や各企業の事業戦略が大きな影響を与えます。また、介護そのものは規制業界であっても、介護ロボットという工業製品は海外からも入ってくるので、中国やヨーロッパなど海外メーカーが国内市場に一定の影響を与える存在になるはずです。

介護現場には特にハイテク製品が求められているわけでもなく、高額の日本製ではなく先に低価格の外国製が普及していく可能性もあるでしょう。

 

以下に述べる内容は、将来のことであり予想に過ぎませんが、介護ロボット市場は大きく二つのセグメントに分かれて形成されていくでしょう。

1つは、「介護保険制度に組み込まれる市場(セグメント)」です。これは福祉用具の延長上の如く形成されていくでしょう。ただし、全ては国がロボットを介護保険制度の中にどう組み込み、設計していくか次第です。

介護保険適用となっている既存の福祉用具に品目追加するような制度の設計であれば手っ取り早いのですが、これだと介護保険利用者の負担減になるものの施設にはロボット購入の旨みがありません。上昇し続ける社会保障費の抑制にもなりません。そこで、既存の制度を活かしつつ、一捻りした新制度が登場するかもしれません。

 

「介護保険制度に組み込まれる」に加え、もう1つは「介護保険制度外の市場」です。これは、介護保険を使うまでには至らないちょっと不自由な高齢者向けの製品をはじめ、コモディティ化した家電のような市場になっていくと思われます。「介護ロボット」や「家電」といった線引きが難しくなり製品そのものが複合化していくはずです。「介護ロボット」が死語になっていくかもしれません。

あるいは、特定の富裕層に向けた高価格な介護ロボットも出てくるでしょう。

 

つまり、将来の介護ロボット市場には、国の介護保険制度に組み込まれる「規制された保護市場」と資本主義的な「自由競争市場」の大きく2つが形成されるはずです。

 

また、販売・流通については、現在、既存の福祉機器や医療機器などの代理店・特約店が既存のチャネル(流通網)に新製品(介護ロボット)を便乗させる如く、既存の枠組みを活用したやり方が主に行われています。

将来、これら既存の枠組みとは別に、新しいチャネル(流通網)が構築されるはずです。そこでは施設の役割が非常に大きくなるでしょう。施設には、介護ロボットの活用シーンを実際に見て、学び、体験して、それを外部の人とも共有してもらえるという絶好の条件が揃っています。

そういう理由からも、介護施設の中には本業である介護事業サービスの傍ら代理店や特約店の役割を担う事業者が増えてくるでしょう。施設だけではなく在宅への広がりを踏まえても、施設の役割はとても重要です。

これまでは介護ロボット普及のために実証の場を提供する、あるいは購入費を負担してもらいちょっと無理に使用しながらロボットの評価をしてあげる(データを集めてあげる)役を演じるにすぎなかったのが施設です。受身の施設が殆どだったのです。

今後は、そんな施設の役割が大きく変わり、各メーカーの販売にも大きく関わる存在に育っていくはずです。

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