介護ロボット市場の開拓2

介護ロボットの市場開拓については、モノ(優れたロボット)を提供する、あるいはそれに加えて見込み客に操作・活用方法を伝えるだけでは、全くもって物足りないはずです。

顧客とのギャップを埋めて市場開拓するためには「優れたロボットの提供」以外にもやるべきことがあるのです。

介護ロボットの市場を開拓するためにやるべきことは、1)モノ売り(優れたロボットの提供)に加えて、2)(顧客に対する)導入・活用の支援を提供しながら、3)自社マーケティングの強化をすること。

 

また「優れたロボットの提供」が大前提ですが、介護ロボット市場開拓の最大のポイントは、(協力)施設を育成しながら、市場開拓の体制を構築し、仕組み化させること。

貴社には「事業戦略」がありますか?

介護ロボットの市場開拓には、施設の協力が欠かせません。

最初は売上規模が小さく試行錯誤しながらも、まずは早期に成功パターンを築きあげることです。これは補助案件を物色し、補助金に依存した売上確保ではありません。

そのための体制を構築し、仕組み化(パターン化)させる。あとは、その仕組みを市場の成長タイミングにあわせるごとく、資金投入により水平展開し、規模を拡大させていく。

 

これが介護ロボット市場開拓の基本戦略ではないでしょうか?

貴社には、ヨソ(国や自治体)が企画した事業に便乗する(例:イベントに出展する)だけではなく、販売・顧客育成・ブランドづくりなど、市場開拓に必要な事業戦略がありますか? 市場開拓・顧客育成のシナリオはありますか?

市場開拓にはBtoCのノウハウ

介護ロボット市場の開拓は、施設あるいは在宅向けいずれにしても、ロボット技術を有する製品を最終的な恩恵者となる高齢者に提供する「高齢者向けビジネス」です。

介護職員が装着する介護ロボットの場合でも、それは自身の負担軽減もありますが、本来ならば介護される側である高齢者へより良いサービスを提供する目的で使用するはずです。

「介護ロボット」は定義がハッキリしていないこともあり、一見すると福祉用具の延長上にある市場であり、医療機器や玩具などの市場とも重なる領域もあります。

ハッキリしていることは、一般的な「ロボットビジネス」とは一線を画すということです。市場開拓にはBtoCの高齢者向けビジネス」のノウハウが求められます。BtoC的なノウハウが必要です。

 

ところで、介護の現場では介護人材の確保・定着などさまざまな課題を抱えています。しかし、特に介護ロボットを求めているわけではありません。高齢者も介護サービスを受けるために施設に来るのであって、ロボット活用の介護を求めているわけではありません。

介護業界全体が直面している人材確保の課題に対しては、「女性や高齢者の活用」「外国人労働者の受入れ」など複数の施策が同時に進行しています。その1つが「ロボット技術の活用」にすぎないのです。

また、介護分野の課題解決とは別に、新産業(=ロボット産業)育成という政策の影響がとても大きいため、介護ロボットが注目を浴びています。

今、国や自治体では、ロボットの介護現場への普及に向けて、試行錯誤しながらも公費を投入し続けています。しかし、ロボットの介護現場への導入はスムーズに進んでいるわけではありません。

 

メーカー(作り手)と市場(使い手)の間には大きなギャップがありますが、実は施設の中にもギャップがあります。経営陣と現場のギャップです。多くのケースに見られがちなのが、(介護)現場の十分な理解、それに周到な準備がなされぬままトップダウン式に導入されてしまうこと。

そのため、ただでさえ忙しい現場にとっては、まだ完成度が高くない(=使い勝手が良くない)ロボットを使うメリットが感じられぬまま不満ばかりを募らせてしまうことも。

この原因はロボットメーカーにもあるのではないでしょうか? 

メーカーは「BtoB」的な政治力などを駆使したアプローチで介護事業所運営法人のトップ層を攻める営業に力を入れがちです。そうやって、なんとか自社ロボットを施設に導入させるところまではたどり着くのです。しかし、そこから先の活用や他への波及にはなかなか至らないのが実態です。

なぜなら、介護ロボットを実際に使うのは現場職員であり、トップを「ウン!」と言わせるだけではなく、現場職員の巻き込みが不可欠だからです。また在宅市場への展開を踏まえも)介護ロボット市場の開拓には「BtoC」的なノウハウが求められるのです。

さらに、介護ロボットは、施設だけではなく、将来的には在宅市場へ展開しないとウマミがありません。まさに「BtoC」の世界です。そして海外にも…そういうことを踏まえた上での戦略立案が求められます。

市場が特異でギャップが生じがち

そんな介護現場は、ロボットが使われるヨソの業界と大きく異なります。他のロボットと比べて市場が特異なために、メーカー(作り手)と市場(使い手)との間にギャップが生じやすいのです。

介護の世界にも「ロボット」という言葉が使われています。しかし、介護現場は製造や物流現場に機械(ロボット)を納めるBtoBのロボットビジネスと市場の特性が大きく異なります。

顧客はメーカーの生技や生管担当者ではありません。庫内設計を担当するIEでもありません。医療機器のように(顧客が)医師ということもありません。

他のロボットと一緒くたにされがちですが、介護市場は特性が大きく異なります。当然ながら市場開拓のアプローチが異なるはずでは?

 

そこで、市場とのギャップを埋めていくために取り組むべきことを大きな一つに絞り込むとキーワードは「見える化」です。

そのためには、ロボットの機能革新や安全性担保を追い求める「優れたロボットの提供」に加えて、大きく2つの取り組みが必要ではないでしょうか?

モノの提供だけでは、導入後の展開が困難

買い手への導入・活用の支援が重要です!

介護ロボット市場の開拓は、モノ(優れたロボット)の提供だけではとても難しいようです。

法人トップに営業する、あるいは補助金を武器に売り込みをすることで、ちょっと無理やりに導入してもらうことは可能です。

 

一時的には成果がある(売上計上される)はずです。しかし、それではその後の展開が難しいでしょう。

内視鏡など高価格の医療機器を販売するメーカーでは、技術レベルの低い新興国で市場開拓する際、研修センターに医師をお招きして人材育成を図ります。

また一般的な食品よりも高価格な機能性食品を売るメーカーでは、単なる物売りでは価格で比べられてしまうので、店頭の棚には並べず、巧みな食育活動をセットにしたマーケティング活動を展開します。

福祉用具よりも遥かに高価格帯であり、しかも使い方が煩雑な介護ロボットについても、同じことが求められるのではないでしょうか?

導入・活用の支援とは?

モノ(優れたロボット)の提供に加えて必要なこと、それは買い手に対する「導入・活用の支援(教育)」です。これをモノ(優れたロボット)と一緒にセットにして提供することが求めらます。

買い手に自社ロボットを最大限に活用してもらうための支援(教育)です。それは、買い手にロボットの操作・活用方法を教えてあげることだけではありません。しかも、教えるのは自社営業マンとは限りません。顧客が別の顧客に教える方法でも良いのです。

また「導入・活用方法の支援(教育)」は、「ロボット導入を介護経営に120%活かす」ことを教えてあげることでもあります。これはロボット導入・活用のメリットを「見える化」させてあげることです。

 

繰り返しますが、自社ロボットの購入を検討する買い手に対して、操作方法などの機能面を説明してあげるだけでは物足りないのです。

物を売る側にとって重要なのは、買い手に購入メリット(価値)を教えてあげられること。しかも、ロボットの活用により「腰の負担が軽減した!」などという局所的なメリットだけではなく、経営全体へのインパクトを「見える化」させて導入メリットを実感してもらうことがベストです。

つまり、買い手に対して、介護ロボット活用から得られる直接的なメリットに加えて、ロボットの導入・活用で二次、三次的に得られる副次的なメリット「見える化」させて理解してもらうのです。

そうでもしない限り、「事故のリスク」「コスト高」「面倒」などと、買い手がイメージしがちな介護ロボットに対するマイナス面を払拭するにはパンチ不足なのです。

 

ロボット導入・活用に関し、「before(ビフォー)」と「after(アフター)」の比較ができるように「見える化」させてあげない限り、買い手にはロボット活用のメリットが見出せないのです。

「マーケティングの強化」も不可欠

「優れたロボットの提供」と「導入・活用の支援(教育)」に加え、さらに必要なことは「マーケティング(売れる仕組み)の強化」です。

これは、潜在市場の中から「見込み客」を開拓すること。そして、「購入客」→「ファン客」へと育て上げていく顧客育成です。

そこで戦略を練り、それを計画に落とし込み、実施し、成果を測定・評価する仕組みをつくり上げることです。

 

モノづくりと並行すべきはマーケティングを強化して「売れる仕組み」を構築することです。やるべきことは、売るモノ(ロボット)をつくり、それを売ってくれる代理店探しではありません。

自社戦略をベースに、売れる仕組みをつくりあげることが最優先です。その戦略の中で、代理店の役割をどう位置づけるべきであるかを明確にすれば良いのです。

まずは、「戦略ありき」ではないでしょうか?

 

そして、「売れる仕組み」をつくりあげるためには、「売れない原因」がわかるように「集客のプロセス」などを「見える化」させなければなりません。「見える化」させなければ、対策を練ることさえできませんから。

 

また、キーとなる「ファン客」を育て上げ、その「ファン客」に協力してもらい、他の顧客が追随してくる仕組みをつくり上げることです。

その仕組みを駆使しながら「見込み客」の開拓から最終的には「ファン客」へと育て上げていくサイクルをぐるぐるとまわすのです。既存顧客が新規顧客を連れてきてくれる仕組みをつくり上げるのです。

そのようなサイクルがまわることを「見える化」させるのです。「見える化」すれば、サイクルがまわっているのか、まわっていなのかがわかるようになります。

 

さらに、あらゆる機会を通じて「顧客(買い手)の声」を吸い上げ、声を上手に事業に反映させる仕組みをつくることです。「顧客の声」は、製品改良にはもちろんのこと、販促ツールや売れる仕組みづくりの磨き込みにも積極的に活かすことができます。

だから、売上が少ない小事業のうちから代理店に全て販売委託をすると、貴重な「顧客の声」が「見える化」しなくなるデメリットがあります。貴重な顧客の声が事業に反映されなくなるのです。

構築した仕組みを水平展開

まず戦略を明確にしても、売上が少ない最初のうちは手探り状態で、あれこれ試行錯誤しなが、体制づくりに時間が掛かるかもしれません。でも、それでも良いのです。ポイントは試行錯誤の期間を可能な限り短く切り上げること。

そして、一旦、仕組みをつくりあげたら、それを一気に水平展開するのです。市場が成長する前に売れる仕組みをつくりあげておくのです。

幸いなことに、今は国や自治体が後押ししてくれるので、彼らの支援を上手く活用する一方で、その間に仕組みをつくりあげてしまうことです。

日本市場で成功パターンが確立できたら、次に成長してくる中国をはじめヨソのマーケットに大きなチャンスを求めて出ていくことができます。

 

逆に、ロボット産業への期待感が大きく行政がさまざまな支援をしてくれる今のうちにこれ(協力施設を育成しながら、市場開拓の体制を構築し、仕組み化させること)ができなければ、後に政策の風向きが変わると、補助金に頼るわけにはいかず、突然死を迎えてしまうことでしょう。

 

技術力を活かした「優れたロボットの提供」は当たり前。安全面の担保だけでは不十分。製品説明に出向く営業マンがいてもまだダメ。

顧客となる介護事業者のニーズ把握はもちろんのこと、事業者を管理する行政側とも良い関係を築き信頼を得ながら、「顧客の満足」と「自社の儲け」を両立させ、戦略的に企画・立案できること。それが貴社にも必要ではないでしょうか?

貴社に出向いて「介護ロボット市場開拓セミナー」を開催します。

貴社の市場開拓・顧客育成を支援するサービスです。

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【No.39】縦割りの弊害とカニバリゼーション
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