メーカー寄りの「販売代理店」から顧客目線の「購買代理業」へ

介護の現場では、介護人材の確保や定着などさまざまな課題を常に抱えており、今後はさらに深刻化します。

この課題に関しては、女性や高齢者の活用、外国人労働者の受入れなど複数の施策が同時に進行しており、その1つが「ロボット技術の活用」なのです。そこで「介護ロボット」に大きな注目が集まっています。

果たして、ロボットの活用はどこまで介護現場の救世主となるでしょうか?

介護業界の特性(人材、制度、取り巻く環境など)を踏まえると、単にツール(ロボットやICTなど)ユーザー側に与えるだけの取り組みでは市場の開拓は難しいようです。

施設という組織の中でツールを上手く活用してもらわなければなりません。そのため、職員に機器を渡す、あるいは、設置して機能や操作方法を伝授すればOKというわけではないのです。

これまで行政はロボット市場の創出に向けて、メーカーに開発費を補助する一方、ユーザー(施設)には購入費を補助する施策を主に行ってきました。

その結果、市場は成長しつつありますが、それは公費にかなり依存しています。

公費に依存しなければ「モノ」も「カネ」もなかなか動かない。それが長らくこの市場における特徴でした。

国や自治体の支援は、産業育成の視点が強く成果が見えやすい「モノづくり」が中心でした。

販売については、販売事業者が(購入者向けに用意された)補助金を上手く活用しながら見込み客(ユーザー)にアプローチしていく方法が主流でした。

本来なら補助金頼みの事業展開から脱却し、自社のマーケティング活動を強化しながら顧客(ユーザー)とのギャップを埋めて需要を喚起する取り組みが必要ではないでしょうか?

今後、5GやIoTの普及により「なんでもつながる」ネットワーク化の時代へと移行していきます。介護市場も大きく変わっていきます。

ローテク製品を、単体(スタンドアローン)で使ってもらうことを前提に、単品毎に販売する福祉用具の延長線上とは明らかに大きく異なる世界が展開されるはずです。

機器を「単体で」「単発的に」活用してきた介護市場ですが、5GやIoTの影響を受けて大きく変わっていきます。そのため、販売事業者の役割は「ソリューションの提供」へとシフトしていきます。

また、IoTの普及によって何でもつながり便利になる反面、「使い手」である介護施設はこれまで以上に大変なことになります。

なぜなら、情報がより錯綜するようになるからです。しかも、ハード、ソフト、アプリ、通信、サーバー、ネットワーク…と多数の事業者が複雑に関わる環境においては、「このサービスはA社に」「あっちはB社が担当で」「それからC社には…」などと、複雑に入り組んだサービスを事業者毎に整理して使い分けることが困難です。

現場の職員の多くは、業務(本業)に専念したいので、できればそのような面倒な業務は避けたいはず。

一方、殆どの販売事業者は自社が売りたい製品を一方通行的に売ろうとしてきました。「良い製品なら売れる」「安くすれば売れる」「補助金をフルに活用して…」と、「メーカーに代わって商品を売る」という発想で事業を展開してきました

介護ロボット経営実践会では、「メーカーに代わって売る」という発想というよりも、むしろ介護施設(顧客)の目線で購買代理を行い、顧客の問題の本質を解決することを第一に考えた「新しいビジネスモデル」を提唱しています。

また、買い手(施設)のオペレーション構築(業務プロセス改善)を支援しながら、売りたい(自社)製品のベストな活用方法を見出してもらうのです。

介護ロボットに関しては、2010年から企業・施設(ユーザー)・行政の間の橋渡し役として市場・顧客・競合(参入企業)などを見てきましたが、介護市場の特性を踏まえると、販売事業を成功させるためには、以下5つのステップの中でもより上位の取り組みを行うべきであると考えています。

重要なのは顧客を中心にビジネスを考えること。そして、介護業界の盲点をつき、市場のスキを狙うことです。5つのステップに関しては、次の通り名付けました。

  • 介護ロボット販売事業1.0:ロボットのバラ売り
  • 介護ロボット販売事業2.0:+見込み客向けセミナー
  • 介護ロボット販売事業3.0:+個別コンサル
  • 介護ロボット販売事業4.0:完全パッケージ化
  • 介護ロボット販売事業5.0:トータルソリューションの提供

現在、販売市場に参入している事業者の多くは「介護ロボット販売事業1.0」の状態ではないでしょうか? これは「ロボットのバラ売り」と記しましたが「良いモノなら売れる!」という完全にプロダクトアウトの発想による販売となります。

「自社製品ありき」で、顧客を中心に考えるビジネスからは最も遠くに位置します。

展示会やセミナーなどの場で潜在顧客と接点を持ち、興味を示してくれた人(介護職員)に「ウチの製品には、こんな素晴らしい機能があります!」「このように見事な活用ができます!」などと機能面の特徴を強調しながら、特定の機種を販売しようとする(単品毎に売り切る)方法です。

「2.0」は「1.0:ロボットのバラ売り」を1つだけランクアップさせた方法です。見込み客を教育・啓蒙する「場」を設けて販売につなげていく方法です。1.0の延長線上にセミナーという教育・啓蒙を行う「場」を設けることになります。

「介護ロボット販売事業3.04.05.0」の内容ついては、より顧客を中心に考えたビジネスモデルとなります。IoTやAIが本格的に普及する新しい時代に向けたビジネスモデルです。

この「新しいビジネスモデル」の詳細については当会主催の出前型(or オンライン)のセミナーに参加された企業様に情報提供しています。

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