【コラム】

介護ロボットの着眼点

新たな時代への架け橋

高齢化社会の課題に応え、新産業を切り開く介護ロボットの可能性を追求します。

このコラムでは、私、関口が過去10年以上の介護ロボット分野での活動と、その多面的な視点からの洞察を共有します。

また、中小企業が自治体市場に新たな一歩を踏み出す過程、その初歩から浮かび上がる機会と直面する挑戦に関するテーマについても考察していきます。

今回のコラムでは、自治体営業で「ツテを頼る」ということを考えてみましょう。しかも、大企業や中堅企業ではなく、従業員数が50名にも満たない中小企業が「ツテを頼る」ということについて掘り下げてみます。 

シニア向けテクノロジー市場は、今後ますますの成長が期待されています。介護ロボット、AI見守りシステム、遠隔医療、バイタルデータのモニタリング技術など、新しい技術が次々と登場し、社会課題の解決に貢献しています。しかし、技術がどれほど優れていても、それだけでは市場に浸透しません。 

2024年も残り数日となりました。新しい年を迎えるにあたり、多くの中小企業が新たな市場への挑戦を計画していることでしょう。特に、介護施設の負担軽減や業務効率化を支援するスマホアプリやツールを開発する企業が増えていますが、新規参入にはどのような準備が必要なのでしょうか? 

『ホワイトカラー消滅: 私たちは働き方をどう変えるべきか』という冨山和彦氏の本を読みました。冨山氏はビジネス界では著名な方です。テレビ番組や講演でも活躍されているため、ご存じの方も多いかもしれません。

この本に書かれている内容は、タイトルの通り、今後ホワイトカラーが消滅していくというものです。

お盆休みの間に、以前読んだ野口悠紀雄氏の「プア・ジャパン」という本を再読しました。日本は少子高齢化が進み、社会全体が抱える課題も複雑化しています。その中でも特に注目されるのが、医療・介護分野です。これらの分野は今後、就業者数で日本最大の産業となることが予想されていますが、

去る6月26日(水)、東京ビッグサイトで東京都副知事の宮坂学氏の講演を聴講しました。『「共同化」で進める自治体DX』というタイトルでしたが、宮坂氏が都庁に入ってからDX化に向けて取り組んできたことや今後の方向性について語られました。

週刊東洋経済の2024年5月11日号の第1特集の「溶ける地方創生マネー 喰われる自治体」というタイトルの記事を読みました。

30ページ以上も割いているこの特集記事では、地方創生マネーが都会のコンサルに吸い上げられていく実態など、地方創生の虚構を描き出しています。記事の骨子は、この10年、政府は

デジタル・トランスフォーメーション、略してDXは、技術を活用して組織の業務プロセスを変革し、サービスを向上させる動きを指します。

介護ロボットやICTの普及についての講演を行っていた私は、2016年にはこれらの技術が介護現場にも大きな革命をもたらすことを強調し…

プレジデント社から発行された『「働き手不足 1100万人」の衝撃』という先月出版された本を読む機会がありました。この書籍を通じて、現代の日本社会が直面する前例のない構造的人手不足の問題について再認識することができました。人口動態統計が示す通り、この問題は…

介護予防教室と呼ばれる地域に住む65歳以上のすべての高齢者を対象にしたサービスがあります。これは市町村の「一般介護予防事業」の一環として行われています。一般的には、体操教室をイメージされる人が多いと思いますが、

前回のコラム掲載から約3年が経過しました。先日、ある方のYouTube動画を視聴したところ、私が以前から感じていたことが指摘されていることに気づきました。その動画に触発され、久しぶりにコラムを執筆することにしました。

新型コロナウイルスの感染拡大が広がり、国や自治体からさまざまな給付金や補助金が予算化されました。これは現在も進行している話ですが、既に兆円単位のとてつもなく大きな金額(公費)が使われる事業が予算化され、一部は執行されました。また、持続化給付金や雇用調整助成金を発端として露呈した問題をはじめ、これまで

本日は、今、世界中が大変なことになっています。新型コロナウイルス感染の拡大です。中国の武漢市を中心に発生し、短期間で全世界に広がりました。

ロックダウンと呼ばれる都市封鎖が海外では起こり、日本でも緊急事態宣言が出され、今日まで続いています。これは50年以上も生きてきた私

本日は、前々から感じていたことを2つお知らせいたします。テーマが2つあるということです。1つは「介護施設に役立つ方法は何か?」、もう1つは「保険外の市場は魅力的か?」ということです。…

本日のコラムは、介護ロボットの販売事業者向けの内容となります。

これまでに私が見てきた限り、多くの販売事業者は一生懸命に販売(セールス)の活動を行っているのですが、マーケティングはあまり行っていないようです。というか、マーケティングと販売(セールス)を同じ活動と捉え、区別が

政府の日本再興戦略に盛り込まれた「ロボット介護機器開発5ヵ年計画」では、「2020年までに市場規模500億円!」というターゲット(数値目標)が掲げられました。あれから5年以上が経過し、残りあと1年ほどですが、果たして目標の達成は可能でしょうか? 

脱ロボット化か?

来週からは新年度となる2019年度事業がスタートします。また、新元号の発表もあり、4月からは何かと新しい1年になりそうです。

 さて、都道府県の新年度の事業計画をいくつかチェックした上で感じたことが

これまで計100回以上になります。それは、企画担当あるいは講師として、私が介護ロボット関連のイベントに関わった回数です。行政主導のイベントだけではなく、民間企業が主催したものにも関わりました。

また、介護ロボット以外についても、…

私が社会人になった1990年代の初めは、職場にまだインターネットがありませんでした。出てきたのは1990年代の中頃。それからあっという間に普及して世の中を大きく変えました。

またアップル社のアイフォンが日本で

2010年から介護ロボットの仕事に関わっていますが、当初から腑に落ちないことがありました。それは今でも続いています。市場を取り巻く諸情勢はもちろんですが、顧客視点で考えれば考えるほどモヤモヤ感が出てきていたのです。…

先日読み終えた「ブルー・オーシャンシフト」という書籍に「買い手の効用マップ」というツールに関する説明がありました。

そのツールは、「介護ロボット市場開拓のマーケティング(第3版)」という教材の中で詳しく解説している「顧客の活動チェーン」や

介護ロボット1台につき10万円まで補助してくれる介護ロボット導入支援事業(地域医療介護総合確保基金)は平成27年度にスタートしました。初年度は実施した都道府県が少なく申請件数もわずかでした。

某県ではわずか1桁という販売実績でした。…

いきなり難しい話からのスタートとなりますが、「キャズム理論」というのを聞いたことがあるでしょうか?

今回は、介護ロボット市場の形成、特に「キャズムを越えられるか?」という視点で話を進めていきます。…

今月、東京・新宿高島屋の9Fにあるロボティクス スタジオに行く機会がありました。昨年10月にオープンしたロボットの常設売り場です。このような売り場は百貨店では初の試みだそうです。

そこには「コミュニケーション型」「ライフスタイル型」「プログラミング型」

介護ロボットの販売現場では、各メーカーや販売代理店が製品の機能や操作方法を説明することが当たり前のように行われています。しかし、「見込み客」を前にした時、「今すぐ客」と「これから客」の違いを意識し、情報を出し分ける必要があるのではないでしょうか?

一般的な購入までの旅路

一体、施設はどのようなプロセスを経て特定の介護ロボットを購入する決定を下すのでしょうか?

その前に一般的な場合を紹介しましょう。通常だと顧客の意識は「問題認識」→

介護ロボットの普及に向けて国や自治体ではこれまでいくつもの支援や施策を次から次と打ち出してきました。国では経済産業省および厚生労働省が介護ロボット普及の旗振り役を担っています。

また自治体の取り組みとしては、神奈川県が平成22年度に国や他の自治体に先駆けて…

前回のNo.27: ロボット活用に向けた施策で最も重要なことは…」と題したコラムでは、自治体の次年度(平成30年度)予算がほぼ固まりつつあることを述べました。

また自治体の介護ロボット関連の取り組みについては大きく「開発支援」「導入支援」「実証支援」の3つに分類できると説明…

毎年、今の時期になると自治体の次年度予算がほぼ固まります。そこで各自治体のホームページに公開されている平成30年度の予算関連の資料をさっとチェックしてみました。

介護ロボット関連については、

モノ売りだけでは済まされない

介護ロボットの販売という商売を考えた時、ロボットというモノの存在を潜在顧客である施設の人に知ってもらい、興味を持ってもらい、購入という行動に移してもらって初めて「お金」が入ってきます。仮に2度、3度…

先日、あるTVのニュース番組をみていたら「中国では現金を使わない」「キャッシュレス化が進んでいる」と、現地の電子決済サービスの実態が放送されていました。

電子決済が爆発的に普及している中、トップシェアを握るのが、中国で最大のECサイトを運営する阿里巴巴集団(アリババ)の…

「介護ロボットの認知度は飛躍的に高まったが…」と題したコラムにも書きましたが、2010年に私が神奈川県事業で介護ロボットに関わった当時は、「介護ロボット」という言葉が、世間どころか介護業界の人にさえあまり知られていませんでした。…

厚生労働省の平姓27年度補正予算(介護ロボット等導入支援特別事業)では50億円以上もの公金が投入され、介護ロボット市場の形成に大きな影響を与えました。

またその時期には介護ロボットの販売代理店が急増しました。…

介護ロボット:4年前と今

介護業務に携わっており、「介護ロボット」という同じモノを見ているにも関わらず、(施設に人にとって)見える景色が異なる! これを前回の「ニーズの違い(バラツキ)」とイベント企画、と題したコラムの中でお伝えしました。

ニーズが人によってマチマチ

介護ロボットのイベントを企画・開催する度に痛感することあります。それは、ロボット分野の中でも「介護ロボット」にフォーカスし、一見するとテーマが絞られていても、イベント参加者のニーズは人によってマチマチであるということです。…

「関口さん、ウチもその通りなんです!」

この2-3カ月の間に訪問した複数の施設から同じようなことを言われました。何がその通りなのかと言えば、私が口にした「ある現象」が同じであったということです。…

「なぜ介護施設はロボットを導入するのでしょうか?」

 この問いを介護施設の人に投げかけてみれば、さまざまな返事が戻ってくるはずです。同じ法人の人たちに聞いても、トップの理事長さんと現場の職員さんとの間には温度差があるので、異なる回答が…。

 

先日、仲間とコミュニケーションロボットについて話し合う機会がありました。そこである事に気が付きました。それは彼らが「ロボットをロボットとして見ている!」ということです。「ロボットをロボットとして見る?」のは当たり前なことですが、…

 

ここ12年、ロボット分野で独立しようとする人を目にします。中には「ロボット=市場が非常に大きくなる」程度の認識で、市場や競合のことをよく理解せぬまま、学生のサークル活動のような感覚で未経験の分野に興味を示したのでは?と思いたくなる人も。事業は椅子取りゲーム・・・

 

私はこれまで介護ロボット関連のイベントに何回参加したでしょうか? 講演にお呼びいただいた数まで含めると相当な回数になります。

自身で企画・運営した回数だけでも2010年から合計20回は超えています。また毎回、アンケート用紙を配付・回収し、…

 

前回の「介護ロボットは増えたが、その一方で…」と題したコラムでは、介護ロボットの調査について、直近と2010年に実施した双方の結果を比較した上で、見守りやコミュニケーションのロボットの機種が多く増えたことをお伝えしました。…

 

私は2010年に、当時市販化されていた、あるいは実用化に近い介護ロボットの機種をリストアップしてホームページに掲載しました。

そのページは今でも「介護ロボット」と検索エンジンに入力すると3位以内に表示されます。あれから6年以上が経過し…

 

先週、お手伝いしている埼玉県事業の一環として埼玉県内の介護施設で見学会を開催しました。その施設ではなんとオープン時から全床に見守り機器を導入していました。

施設見学会のプログラムにはディスカション(質疑応答)の時間もありましたが、その際に参加者同士の意見交換で少し熱く…

 

前回のNo.11: ロボットに頼らない活用方法は?」の記事では「職員の負担軽減などロボットから直接的に得られるメリットの追求だけではなく、少し発想を転換して、ロボットの導入検討を機に、利用者さんの満足度アップをはじめ、…

 

つい先日、法人研修会で講演させていただいたある介護施設の方がわざわざアンケート結果の報告書を送ってきてくれました。

中を読んでみると、「目的を持ってロボットを導入すれば良いとのアドバイスは参考になった」…

 

去る96日(火)に開催された埼玉県事業の「埼玉県 リハビリ・介護ロボット研究会」では、6月の開催時に続き、パネルディスカションでモデレーターを務めさせていただきました。

このパネルディスカションの内容は、「シルバー新報」(201699日号)さん…

ロボットに限った話ではないのですが、介護業界(施設)向けにモノやサービスを提供するビジネスには苦労が伴いがちです。「絶対にないと困る!」ようなモノは別ですが・・・。

もう少し正確に表現すると、自社の製品やサービスが、介護保険制度などの一環と…

前回のコラムでは「補助金のメリットとデメリットは?」と題して、補助金制度にはメリットがある一方でデメリットがあることを指摘しました。特に、施設側の購入意欲に対する影響の実態について書きました。

ところで、厚生労働省 平成27年度補正予算の「介護ロボット等導入支援特別支援事業」…

前回のコラムにも書いた通り、国や自治体の補助金制度は、非常にありがたいものです。なぜなら、補助金や助成金の活用により、本来なら自ら背負うはずの経済的な負担(開発費や購入費の負担)が大きく軽減され、自分の懐を痛めずに済むからです。

でも…

 

国や自治体の補助金制度は、介護ロボットを売る側のロボットメーカーはもちろん、買う側の介護施設にとっても非常にありがたいものです。なぜなら、自社の懐を痛めなくても済むからです。

補助金や助成金の活用により、本来自ら背負わなければならないはずの経済的な…

介護ロボットの普及に向けて、国やいくつもの自治体から、さまざまな支援策が打ち出されています。これまでの介護ロボット普及に関する支援策を振り返ってみると、産業振興面がより強く、以前はどちらかというと(介護施設ではなく)ロボットを開発する側の支援に力が入れられて…

去る614日(火)に開催された埼玉県事業の「埼玉県 リハビリ・介護ロボット研究会」のパネルディスカションでモデレーターを務めさせていただきました。テーマは「介護施設へのロボット導入の課題とそのソリューションについて」…

介護ロボットの「普及が進んだのか?」と問われると「まだまだ!」という感じです。これについては前回の「介護ロボットの着眼点(コラム)」の中で少しお伝えしました。

国や自治体ではさまざまな支援策を用意し、介護ロボットの普及を後押ししてきました。この動きは…

昨日、東京の大和ハウス工業様で開催されたイベントにパネラーとして参加いたしました。そのイベントでモデレーターの方から最初に次の質問が飛んできました。

それは、「以前と比べて、介護ロボットの普及はどうか?」と。その回答の1つは、…

今後の介護ロボット普及を考えるに際し、「何か参考になる事例はないかな?」と考え、医療現場で普及が進んでいる電子カルテに関する普及の経過を簡単に調べてみました。

電子カルテは今から20年以上前の1995年に登場しています。2000年には…