なるほど、そんな視点があったのか!

誰も気づかなかったロボット活用

  • 施設が最初に取り組むべきことは、いきなりロボットを導入することではありません。
  • 2年、3年先を見据えた目標を掲げ、そこへ到達するために段階的に業務全体のプロセスを改善する計画を立案することです。
  • 「部分」ではなく「業務全体」を見た上で、プロセスを改善していく計画です。しかも、職員の育成も同時に進行させます。
  • その計画の中に、ロボット導入(の予定)を組み込むのです。しかも、一度にド~ンではなく、計画に沿って段階的に導入していくことです。
  • そしてPDCAをまわしながら業務プロセスを改善していくのです。
  • だから、まずは2年、3年先を見据えた計画(マスタープラン)の立案が必要です。またそのプランを組織内で実行していくための仕組みづくりとスキルの向上が求められます。
  • まとめると、いきなりロボットに飛びついて、無理に使おうとするのではなく、オペレーションマネジメントというロボットやICTを駆使するための「土台」であり「基盤」を築くことです。それを強化しながら上手に活用していくことがポイントです。

ところでなぜ、介護ロボットを導入するのでしょうか? 

なぜ、ロボットやICTが必要なのでしょうか?

  • 利用者さんに満足してもらいたい!
  • 利用者さんの自立支援を図りたい!

  • 介護の質を向上させたい!

  • 職員の身体的負担を軽減させてあげたい!

  • 人手不足解消の解決策として!

このような理由から意気込んで導入するはずです。しかし、3カ月、半年、1年と時間の経過と共に、積極的に活用されていくどころか、逆に使われなくなるケースが少なくないのです。

お金の問題さえ解決すれば「導入すること」は容易です。しかし「活用し続けること」は意外と難しいのです。そこで、まず「介護ロボットを導入しても上手くいかない例(介護ロボット導入の努力事例)」を紹介します。

では、次に「介護ロボット導入の好事例」を紹介しましょう。

介護ロボットを導入しても上手くいかない例として最も多いと思われるのが、「担当者(職員)を決めたが、後は何も決めていない」というケースです。「あなたが担当だよ!」と施設長さんや事務長さんに言われて一任され…

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これはトップダウンではなくボトムアップで意思決定した成功例の一つとして紹介します。A施設では、施設内で課題として扱うべきテーマ(例えば、「紙おむつのムダを無くす!」)が決まると、…

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  • 名前を付けてあげる 名前の候補を広く、利用者さんの家族からも受け付ける 家(ハウス)を用意してあげる 「パロ君 富山県出身」 介護スタッフの一員のように扱う…

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さて、「努力事例」と「好事例」は、いかがでしたか?

組織の中で使うということは…

在宅は個人の判断が全て

ロボットやICTを施設に導入するということは「組織」の中で活用していくことです。在宅とは環境や条件が異なります。

在宅であれば、個人(家族)が「これが良い!」と判断すれば、それが(その家庭内では)正しいことになります。

本人や家族に経済力があれば、高い買い物であっても、その価値さえ認めれば価格はあまり気にならないでしょう。

また時間に余裕があれば、身内の人とおしゃべりしながら、あるいは一緒にテレビをみながらノンビリと移乗介助をしても構わないのです。

施設は組織を動かさねば

一方、施設という組織には多数の職員がいます。価値観・考え方などが人によってマチマチです。資金や人員などにも制限がある中、一定範囲内の人員で時間内にあらゆる事を対応しなければなりません。

だから異なる価値観や考えを持つ職員との間で、活用する「目的」や「目標」を共有しておかないと、それぞれがバラバラに動き出し、途中で頓挫することになります。

また利用者さんやその家族から賛同を得る必要もあり、そのような調整が重要となります。

「組織の中で」介護ロボットを上手に導入・活用するために必要なことは、下記の通り2階建ての図で説明することができます。

介護ロボット 導入・活用プロセス

介護ロボット 導入・活用プロセス

機種別のノウハウ(2階部分)

2階部分は「機種別のノウハウ」です。これには機種別に求められる「機能の理解」「操作方法の習得」「活用方法の理解」「対象者(利用者)の選定」などが該当します。殆どの人はこの2階部分ばかりに注目します。

2階部分については、努力は必要ですが、ロボットメーカーや販売業者からの支援があれば介護実務に長けた施設であれば、自らの努力で十分に遂行できるはずです。

共通のスキル(1階部分)

もう1つが1階部分の「全機種に共通のスキル」となります。これはロボット(機種)を導入し、活用していく際に共通して求められる「土台」となります。

「土台(=全機種に共通のスキル)」については、法人の「理念」や「介護サービスの基本方針」といった価値観や方向性に合致するようロボット活用のあり方を明確化した上で、目標を掲げ、その実現に向けて体制を整え、仕組みをつくり上げることです。

組織の中でロボットを上手に活用するためには、明確な目標を掲げ、それを職員たちと共有することが求められます。また目標の実現に向けて、体制をつくり、計画したことを実行に移さなければなりません。

当初はプロジェクトとして取り組む

さらに、「計画したことがちゃんと実行できているか?」「実行して成果が出ているか?」と管理しなければなりません。

要するに、介護ロボットの導入・活用は、施設内で後にプロセスとして定着(日常業務化)させるまでは1つのプロジェクトとして取り組むことが理想です。

だから、目標を決めて、そこへ到達するために、ロボットやICTなどを上手に活用しながら、チーム(関係職員)をまとめ、問題解決してゴールへと導くためのスキル強化が求められるのです。

1階部分に必要なスキルをもう少し分解すると、「介護業務(オペレーション)の改善」「プロジェクトマネジメント」となります。

介護業務(オペレーション)の改善

介護業務(オペレーション)は、介護職員とロボットやICTなどによって支えられた業務連鎖です。「介護業務(オペレーション)の改善」は、今の「仕事のやり方」をより良くするために必要なのです。

ムリ・ムダ・ムラなく、介護業務の流れ全体を見渡し、一連の流れをより効率的に、よりスピィーディに、より正確に行えるよう、業務の流れを見直すことです。

それには5Sと呼ばれる整理、整頓、清掃、清潔、躾のようなことだけではなく、業務プロセス改善のスキルが求められます。

そのように「介護業務(オペレーション)の改善」を行っていく手段としてロボットやICTの導入があるのです。

プロジェクトマネジメント

また「プロジェクトマネジメント」は、上に書いたように、目標を決めて、そこへ到達するために、チーム(関係職員)をまとめ、問題解決してゴールへと導くためのスキルです。

介護業務(オペレーション)の改善・改革を行っていくためには、プロジェクトマネジメントのスキルも必要になるのです。

1階部分の「土台づくり」が2階部分を活かす

繰り返しますが、2階部分のロボット機種別の「機能の理解」や「操作方法の習得」などは重要です。しかし1階部分の「土台づくり」の強化が、2階部分の「機種別のノウハウ」を活かすことになります。

目標を決めて、そこへ到達するためには、チーム(関係職員)をまとめ、問題解決してゴールへと導くのですが、その基本は「介護業務(オペレーション)の改善」を行うことです。

オペレーション改善の手段としてのロボット化・ICT化

ロボット化やICT化というのは、これまで人の手でやってきた業務(プロセス)の一部をツールの力を借りて行うことです。そこで「介護業務(オペレーション)の改善」を行っていく手段としてロボットやICTの活用があるのです。

ただし、ロボットやICTを使うことにより、身体的な負荷の軽減になる一方で、これまでにはなかったプロセス(手間)が生じるケースもあります。つまり、身体的な負荷の軽減になっても生産性が低下することもあり、そういう点を踏まえた上で、どう経営判断するかが難しいのです。

「土台づくり」が不可欠

今後、少子高齢化に伴う深刻な人手不足に対応するため、ロボットやICTの活用がますます求められることは必至です。

また、そのようなツールを組織(介護現場)の中で上手に活用するためには、上に書いた「土台づくり」の強化が不可欠です。

土台が脆弱だと上手くいかない

土台が脆弱だと、ロボットやICTなどの新しいツールを導入しても、組織の中で上手く継続的に活用することが難しいのです。

土台が脆弱だと、ロボットやICTの活用に限らず、新しい「取り組み」や「決めごと」が組織の中へなかなか浸透していきません。

データ集めは良いのだが、

そもそも日常的に使ってもらえなければ意味がない!

今、国などの事業では「エビデンス(証拠)」「アウトカム(成果)」などと介護ロボット活用の成果を実証・実験してデータを集める動きがあります。でもこれには「活用する」という「一見すれば当たり前のこと」が「できている」ことが前提となります。

要は、施設で使われない(活用されない)限り、「エビデンス」や「アウトカム」には意味がないということです。実証実験のために(施設に)無理にロボットを使ってもらえば、素晴らしいエビデンスやアウトカム(つまりデータ)が集まるかもしれません。

ところが、実証事業が終了したら「オシマイ(=使用終了)」では、全く意味がないではありませんか?

だからこそ、主体的に組織の中でロボットを継続的に活用してもらい、成果を実感してもらうための仕組みづくが重要なのです。

とにかく、介護ロボットは決して安い買い物(投資)ではないので、「単なるツールとして導入・活用」するだけではなく、せっかくなら法人の理念などを踏まえた上で、「経営戦略の視点から導入・活用」を目指す方が良いはずです。

介護ロボット 導入・活用に必要なこと

今後、AIやIoTの普及が本格化します。ロボットもAI搭載でロボット同士がコネクトする(つながる)ようになります。

だからこそ福祉用具の延長のごとく単なるツールとして「点」のごとく局所的な成果を狙うだけではなく、もっと広い視点から(つまり「面」のごとく)活用方法を工夫してみてはいかがでしょうか?

組織(施設)における介護ロボット導入・活用の最大のポイントは、(経営陣が)現場を巻き込み、体制を整え、仕組みをつくること。

この実現に向けて、組織の中で介護ロボットなどの導入を(経営に)最大限に活かすための経営力強化(土台づくり)を支援します。

目標を決めて、そこへ到達するために、業務全体のプロセスを改善しながら、必要なところにロボットなどを上手に活用し、チーム(関係職員)をまとめ上げ、問題解決してゴールへと導いていく支援です。

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